言の葉庵 |能文社 |お問合せ

舞台に舞い降りる能の神「翁」。

さて、いよいよ年も押し詰まり新年を迎える季節となってきました。
能の新年のセレモニーといえば、「翁」。一年でこの季節だけに見られる、もっとも格の高い、本式な能の演目です。

◆能の翁とは?(言の葉庵、「翁」についてのバックナンバーはこちら

「翁」が全国の能楽堂で演ぜられるのは新年、一月の間のみ。来年も各地の能舞台で、元旦より「翁」を含む催しが多数企画されています。

◆能楽公演情報 2014年1月

今年は正月三ヶ日だけで、全13公演が予定されています。
ぜひお近くの能楽堂、能舞台にて初翁を体験してみてくださいね!俗っぽい神社の初詣よりも、よっぽど神聖で、ゾクゾク肌があわ立つに違いありません。千年来、私たち日本人の祖先が「神」と遭遇した儀式がこの能の「翁」なのです。

能にして、能にあらず

と評される「翁」は、世阿弥により、能の根本と位置づけられながらも、他の能の形式から大きく外れることにより、このように呼ばれています。
舞台上でシテが一礼し、面をかけるのも「翁」のみ。
正月、全国の能舞台は注連縄で飾られ、颯々と穢れを払う神聖な気が満ち溢れます。

ちなみに翁開演中の見所へは出入一切禁止。能楽堂入口扉のドアノブには、紙の帯封がかけられ、開演時間に遅れた客はロビーのモニターで見るハメになります。(庵主も一度経験しました…)

番組中、『翁』とあるのが一番の能。『神歌』は翁の謡のみの声楽曲、『弓矢立合』は翁が複数人舞台にて立ち合う特殊演出です。『翁』の曲中、狂言が演ずるパートを「三番叟」と呼びます。

現行200番ある能の演目中、『翁』は演劇というよりも宗教儀礼に近い厳かな曲。西洋人がクリスマスのミサに参列するように、私たちの祖先が一年に一度、舞台に祈りを捧げた特別な日の特別な行事だったのです。

2013年12月20日 14:17

>>トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://nobunsha.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/229

◆言の葉庵推奨書籍

◆言の葉メールマガジン
「千年の日本語。名言・名句マガジン」

「通勤電車で読む、心の栄養、腹の勇気。今週の名言・名句」、「スラスラ古文が読める。読解ポイントの裏技・表技。古典原文まる秘読解教室」などのコンテンツを配信しています。(隔週)

◆お知らせ

ビジネス・パートナー大募集

現在、弊社では各業界より、マーケティング関連委託案件があります。
つきましては下記の各分野において、企業・フリーランスの協力パートナーを募集しています。

◇アナリスト、リサーチャー
◇メディアプラン(フリーペーパー、カード誌媒体等)
◇プランナー、アートディレクター、コピーライター
◇Web制作
◇イベンター、SPプロモーション
◆化粧品・健康食品・食品飲料・IT・通信分野

 

Copyright(c)2005.NOBUNSHA.All Rights Reseved

Support by 茅ヶ崎プランニングオフィス