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夏は涼しいように、冬は暖かなように 【言の葉庵】No.15

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┣┫OW┃O     夏は涼しいように、冬は暖かなように 2006.11.24
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 なし得たり、風情終に菰をかぶらんとは…。侘びの真骨頂は、冬にあり。北
風ぴーぷー、言の葉庵破れ窓から老病の庵主を、奥の空へと誘います。さて、
名言は南方録から、「夏は涼しいように、冬は暖かなように」…当たり前のこ
とほど難しい。このことを、ちと考えましょう。特別寄稿「サンタバーバラか
らの手紙」。海外からの”侘び便り”をご紹介します。イベントは、【国立劇
場開場40周年記念】~166年ぶり復活通し上演~歌舞伎『梅初春五十三驛』。
こいつあ春から縁起がいいや。言の葉ニュースは、最新『葉隠』情報と能狂言
ガイドのご案内。現在ほぼ月刊確実??の言の葉メルマガ、今回もお楽しみに。


…<今週のCONTENTS>………………………………………………………………

【1】名言・名句第十回       夏は涼しいように、冬は暖かなように
【2】特別寄稿                サンタバーバラからの手紙
【3】イベント情報              通し狂言『梅初春五十三驛』
【4】言の葉ニュース                 『葉隠』書店拡大

…編集後記…
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【1】名言・名句第十回       夏は涼しいように、冬は暖かなように
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 『南方録』覚書から、二つの名句をご紹介しましょう。

 名言名句 No.19 夏は涼しいように、冬は暖かなように。
 名言名句 No.20 侘びの小座敷の道具は、すべて足りぬことがよい。

「夏は涼しいように」。当たり前のことが難しい、もしそれができれば、名人
である、と説きます。
「侘びの小座敷は足りぬこと」。侘びの根本精神=(足りないこと)(欠けている
こと)を、今一度見つめてみたいと思います。

[解説] No.19 夏は涼しいように、冬は暖かなように。

 ある人が、夏・冬、風炉・炉、それぞれ茶の湯の極意を問うたとき、千利休が
答えた有名な句です。「そんなことは当たり前じゃないか」と反駁した相手は、
茶の湯のまことを伝えたつもりの利休にきつくたしなめられる…。

 客をもてなす心、「夏は涼しいように、冬は暖かなように、茶は呑みよきよう
に」…。これが秘伝、極意のすべて、と言い切る利休。つまり、当たり前にみえ
ることほど、実は難しいということ。

 日常生活、卑近な例でいえば、例えば”挨拶”。ぼくもあまり自信がありませ
ん、実は。人間関係、コミュニケーションの基本中の基本。なのに、きちんとで
きている人は、今あまりいないのかもしれません。
 能狂言に造詣が深く、いつもきんと和服を着こなしている友人が、わが子に
「相手に聞こえない挨拶は、挨拶ではない」と、しつけているとか。また、ぼく
がニースの片田舎を散策していた時のこと。登校中の小学生の列が、延々とつな
がり、すれ違い様に、
「ボンジュー、ボンジュー、ボンジュー、ボンジュー、ボンジュー」…。ほほえ
ましくもあり、やや閉口でもありました。
『葉隠』では、「相手と場に応じて、礼をしようとするから、すべて不足するの
だ」といいます。

 さて芸道では、「当たり前」のことが、初心から奥伝、秘伝にいたるまで、ず
っと一筋につながっている。宮本武蔵『五輪書』には、「太刀は振りよきように、
静かに振るもの」。力任せにぶんぶん振り回す太刀では人に当たらないし、決し
て斬れるものではない、といいます。
 能役者にとっては、歩くこと=ハコビが、芸の入口であり、到達点でもありま
す。舞台の上をすべるように、美しく無音で移動する「すり足」が、「当たり前」
の基本となります。某能楽師が友人たちと、ぬかるみの中を駆け抜けたことがあ
った。彼のズボンだけ、泥はねひとつなかったと聞いています。


 結局、この話の最後に、同席した笑嶺和尚がいった「諸悪莫作衆善奉行」につ
きるのかもしれません。「悪いことはなすな、良いことをせよ」。”諸”を”す
べて”ととるなら、これは非常に難しい。当たり前にみえたことが、実行不可能
な大難問と転じてしまいます。当たり前のことを軽く見ず、おろそかにせず、ひ
とつひとつ心をかけて、扱い、積み重ねていくこと。神は細部にしか宿らぬ、と
悟るべきでしょうか。


[本文抜粋]No.19

十 ある人が、
「炉と風炉、夏と冬、茶の湯の心得と、その極意をお聞かせ願いたい」
 と宗易に問うた。これに答えて、
「夏はいかにも涼しいように、冬はいかにも暖かなように。炭加減は湯の沸きや
すいよう、茶は呑みやすいよう。これにて秘事はすべてです」
 といえば、問うた人は興醒めして
「そんなことは当たり前ではないか」
 というので、
「されば、この心に叶うようにしてご覧ぜよ。宗易、客にまいり、貴殿の弟子と
なろう」
 と申したものだ。
 同席の笑嶺和尚がこれに、
「宗易申すこと、至極もっとも。かの鳥窠(ちょうか)禅師(ぜんし)二七が、諸悪
莫作諸善奉行(しよあくまくさしゆぜんぶぎょう)二八と答えられたのと同然であ
る」
 とおっしゃった。

[解説] No.20 侘びの小座敷の道具は、すべて足りぬことがよい。

 日本の中世、文芸・芸道分野での美的中心概念は、「足りないこと」「欠けて
いること」です。
言の葉庵が扱う、茶道・能・禅・武士道各領域での実例は、先の「庵主のくたび
れ日記~目利きと目利かず」
で詳述しました。


 南方録、名言の鑑賞にいま少しアップデイトしてみましょう。まず、茶の湯か
ら。

 南方録では、今は失われてしまった利休の茶法、口伝が詳しく説かれています。
その中心が”曲尺(かね)割り”と呼ばれる、茶道具の取り合わせ、配置分法。茶
の湯版「黄金分割」ともいうべき、厳密詳細なレイアウト技法です。「陽曲尺」
「陰曲尺」という二つの分数体系により、各道具の配置ポイントが定められます。
道具置き位置の中心を「中央の曲尺」とし、ここにもっとも重要な茶器を置く。
当然道具は、珠光時代、東山御物クラスの大名物しか置きません。南方録ではこ
れを「一つ物」と呼んでいる。曲尺割りの奥伝に、「一つ物は中央の曲尺に、峰
摺りに置く」と定められています。「峰摺り」は、たとえば山の頂の真中に物は
置けないので、心持ち右か左にずらすこと。「頂点をかする」というほどの意で
す。この中心から、少しずれることが、侘び茶の美学、骨法となります。石州流
松平不昧は「皆人々程ほど不足にても事足るものということを知らない」といい
ます。野水淳氏HP、「江戸の面影 第十九回」より、以下ご紹介しましょう。

侘びの精神は、古くから浄土渇仰(厭世)思想の中の伝統的文化教養でもあるが、
前述の
様な白楽天の生き方の影響や禅の影響も深い。
「 山里はものの寂しきさまこそあれ世の憂きよりは住みよかりけり  惟喬
親王 」
 また、茶道にも整い過ぎているより何か欠けている物事の方が、かえって心を
傾けるに
値するものとの観念があった。「山上宗二記」は、それを次のように著わしてい
る。
「 物モ持タズ、胸、覚悟一ツ、手柄一ツ、コノ三箇条ノ調イタルヲ侘数奇トス」
 
 桃山時代に時の権力とも結び付いた千利休は、茶の作法などを一層洗練し完成
させて広
く我が国に茶道を普及させた。そしてまた侘び茶、草庵式の茶室からさらに独自
の工夫を
して露地庭の創造をした。
 露地とは茶室を囲む小庭を指し、仏教で俗世が火宅に対し、そこから抜け出た
清浄無垢
の境地のことで、転じて幽玄な趣を漂わせる茶庭を云う。本来は茶室に通じる通
路、路地
であったが、利休から飛び石、つくばい、灯篭、樹木などを配し、自然に見える
よう造り
なし茶庭の形式を整えた。その心は次の歌に表わされているという。
「 花をのみ待らむ人に山里の雪間の草の春を見せばや  家隆(古今集)」
また、
「 露地はただ浮き世の外の道なるに心の塵をなに散らすらむ  利休 」

 このように利休が大成した侘び茶の精神は、茶道のあり方の心構えとされ、
石州流不昧
派の開祖、松平不昧も「贅言」の中でそれを次の様に言い表わしている。
「 それ茶道は知足の道なり。知足は足ることを知ると読むなり。皆人々程々
不足にても事足るものといふことを知ることなり。」

 さて、能の例では、南方録「峰摺り」のように、完璧を避ける=中心をずらす
ことが、実に多く見られます。シテの足拍子は、囃子の拍子アタリより、少しタ
イミングをずらせて踏むことが”正しい”とされています。極端な言い方をすれ
ば、「間にあたるは、下」というような風潮が、能の世界では標準であったりし
ます。また、シテが橋がかりを運んでくる時、橋掛かりの中心をやや左に外れて、
進むことが故実とされています。「能にして能にあらず」といわれる「翁」の時
だけ、橋がかりの真中を運ぶそうです。

 これらすべて、「不足」「欠如」の美的概念のあらわれ。俳諧の世界では、芭
蕉が生涯憧れ続けた、一所不住・無一物・乞食の境界に、このことは色濃くあら
われています。芭蕉の門人に、医者の地位を捨て乞食に身をやつし、芭蕉に拾わ
れ俳諧の道を進んだ路通(露通)という破格なものがいる。『野ざらし紀行』の帰
路、芭蕉は路通と邂逅するのですが、その折のエピソードを『芭蕉翁頭陀物語』
より紹介します。


 おきな一とせ、草津・守山を過て、松蔭に行やすらふ。かたへをみれば、いろ
しろき乞食の草枕涼しげに、菰はれやかにけやりて、高麗の茶碗いと古びたるに
瓜の皮拾ひ入れ、やれし扇に蝿をひながら、一ねぶりたのしめる也。

 後年、路通が湖南の蕉門俳人グループにうとまれ、排斥された折の句も、なか
なかいい味を出しています。

 いねいねと人にいわれつ年の暮


 満ち足りた境地から、逃げ出さずにはいられない、俳人の”風狂”は、豪華な唐
物茶器を打ち砕かずにはおれなかった、桃山茶人の”侘び”と非常に近い匂いをも
っています。いずれも、中世日本精神文化、「足りぬ」「欠けている」ことのシン
ボルではないでしょうか。

[本文抜粋]No.20

一七 侘びの小座敷の道具は、すべて足りぬことがよい。少しの疵も嫌う人が
いる。まったく心得違いのこと。新しい焼き物などで、割れたりひびの入った
りしたものは使えぬ。唐物の茶入れなど用途のしかるべき道具は、漆継ぎをし
ても特別に用いてきたものである。
 さてまた道具の取り合わせということ。新作の茶碗と唐の茶入れ、かように
心得るがよい。珠光の時代にはまだまだ立派な道具が揃っていたにも関わらず、
秘蔵の井戸茶碗四四を袋に入れ天目四五同然に扱っては、必ずや棗や新作など
の茶入れを取り合わせて出したと聞く。


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【2】特別寄稿                サンタバーバラからの手紙
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愚著『南方録』をお読みいただいた、カリフォルニア在住の茶人から、すてき
なお便りをいただきました。メルマガ読者の皆様の琴線にも触れる、とても魅
力的な内容でしたので、ぜひ掲載したい、と不躾なお願いに、快くお許しくだ
さいましたので、今回特別に全文、ご紹介したいと思います。

水野様

南方録は期待以上に楽しませていただいております。 とても読み易くまた図
解が詳しく出ている事が何よりです。熊倉先生の 解説つきの南方録で勉強し
ましたが 書院飾りとか 台子がほとんど省略されていて 見たいところが見
られない もどかしさがありました。 実際に奥秘といわれる 相伝点前は文
書に残されてはいけない事になっていますが もちろん 点前については利休
も口伝すると書いてあり それでよいのですが 図解から今の800通りもあ
るといわれる点前の元が垣間見る事が出来 興味が尽きません。点前の右左で
云々ではなく なぜ今のような形の点前が生まれてきたのか なぜ利休は死を
持って 千家の茶の姿を守ろうとしたのか そういったことを点前を通して考
えていく事が これからの茶道を繋げていく 方法なのではないかと思います。
実際南方録のあり方はいろいろ疑問視される点もあるようですが 誰も利休の
茶の姿を知るものはいないわけだし今の茶の姿がイコール昔の茶では決してな
いわけなのですが それでもこのように茶道の形態が整い 点前が整理され復
興され 遺された文書から紐解かれたのだと思いますが 今に脈々と受け継が
れている事は故実を守ってきたからに相違ないのです。儀礼の茶と侘びの茶 
道具から人へ重きが移る茶こそが利休が目指したお茶の姿だと思います。

こちらの人に茶の心を伝えることは出来るのです。でも一歩間違えると茶の精
神論が一人歩きをしてしまい なぜ茶を点てるのかの根本が見失われてしまう
事があります。修行の部分と楽しむ部分が渾然としているのだと思います。 

お家元が お茶はルールではなくマナーですとおっしゃった言葉が キーワー
ドだと思うのです。でもそのマナーを粛々と駆使してお茶を楽しむために我々
は時間をかけお金をかけてルールを学んでいるわけですからね。この辺が私が
こちらで お茶を教えるポイントになっています。S庵のホームページはある
ことはあるのですがまだ完成されていないのです。

今月30日に面白い茶会を計画しています。ローカルの人々へ 我々がどのよ
うに活動をしているのかもっと知ってもらうために 地元の陶芸家の作品が如
何に茶に取り込まれ 見立て道具として使われるのかをコラボレーションして
みようと思っています。私が見込んだ一人の作家さん 本業は弁護士さんで 
陶芸をしている方の作品に出会って心を奪われてしまったのです。 もちろん
彼は茶道具を意識して作ったわけではなく 私が勝手に彼の作品の中にお茶の
心を見てしまったというのが発端でした。多くの陶芸家たちが お茶を意識し
てそれらしい物を作りますが そこは真似であって妙に匂いがあったり作品自
身の居心地の悪さばかり目に付いて 心の通うあるものはなかなか見当たらな
いのです。

でも 彼の割作品は違いました。 存在感があるのです。 凛として清潔で自
分を主張しているのに こちらの心が引きつけられるのです。利休様がおっし
ゃってましたよね。 添わせたらいけないと。まさに言いえて妙です。道具だ
って 添わせようとしたものではなく 添った物であるべきなのです。だから 
目利きとして道具を見立て添うものを選び出していかれた事が反感を買って 
金儲けだの 何だのと 言われたんですから。そんな風に お茶に取り込まれ
ていく道具があるということをローカルの人たちに知って欲しくて お茶がた
だ古いままのマナーだとしたら それこそ間違った捕らえ方だと言いたいので
す。新しい息吹があっていつも空気が流れている事も知って欲しいのです。

すみません。お茶の話をしだすと 切がなくて。本は友人たちに薦めています。
私も3月に日本へ帰った時にまた何冊かお願いしますのでよろしく。 ところ
で水野さんは 能や お謡もなさっているとか これもお茶と深い結びつきが
ありますが 反閉とか兎歩といった歩き方はお能ではどのようにとらえられて
いるのですか。水野さんは私より少しお若いようですが 同じ世代という事に
しておいて下さい。 サンタバーバラへ どうぞいらして下さい。薄茶一服差
し上げたく存じます。今度はS庵がここにある経緯など お話いたします。茶
の活動の写真を添付します。  Kさんより

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【3】イベント情報              通し狂言『梅初春五十三驛』
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2007年年初春、めでたい年のはじめには、粋な江戸前歌舞伎はいかが。庵主も
この日ばかり鼠の十徳と抛頭巾を脱いで、小粋な着流し煙管たばさみお忍びで
まいろうかと存ずるが…。


==========<限定30名>分かりやすいアーカイブス・ジャパン企画========

【国立劇場開場40周年記念】~166年ぶり復活通し上演~
歌舞伎『梅初春五十三驛』《事前レクチャー付観劇会》
国立劇場では、開場40周年を記念して166年ぶりとなる通し狂言「梅初春五
十三驛(うめのはるごじゅうさんつぎ)」
を復活上演致します。AJ(アーカイブス・ジャパン)企画では歌舞伎博士・北
潟喜久氏の解説
も事前に開催し、初めての方でも楽しめる分かり易い観劇会を開催致します。
新年の寿ぎを歌舞伎観劇でお楽しみ下さい。


●演  目:通し狂言『梅初春五十三驛』   
●開催日:2007年1月27日(土) 千穐楽
●出 演:
  尾上菊五郎
  中村時蔵
  坂東三津五郎
  尾上 松録
  尾上菊之助 ほか
●国立劇場チラシ
http://www.ntj.jac.go.jp/cgi-bin/pre/performance_img.cgi?img=1716_1.jpg
http://www.ntj.jac.go.jp/cgi-bin/pre/performance_img.cgi?img=1716_2.jpg

●場  所:国立劇場 大劇場 千代田区隼町4-1 TEL.03-3265-7411
●交  通:東京メトロ半蔵門「半蔵門」駅,「永田町」駅、有楽町線「麹町」
駅下車
●参加費 :9,800円 (一等A席・郵送料・講師謝礼等を含)

●当日のタイムスケジュール:
10:30~ 歌舞伎解説  国立劇場別館 会議室
      講師:国立劇場調査資料課長 北潟喜久氏(歌舞伎博士)
12:00~ 「梅初春五十三驛」観劇
16:30  終演予定

●参加申込・お問合せ
↓下記フォームに必要事項をご記入の上
noh@archives-japan.org
株式会社アーカイブス・ジャパンあてメールにてお申し込みください。

----------------------------------------------------------------------
e-mail:noh@archives-japan.org


梅初春五十三驛 お申込フォーム
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チケット送付先〒


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【4】言の葉ニュース                 『葉隠』書店拡大
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『葉隠』関係の最新情報と、初心者・入門者のための[決定版!能狂言ガイド]
のご案内です。


┌----------- お知らせ その1  -----------┐
│『葉隠』取扱書店が増えました。横浜・九州地区販売開始         │
└---------------------------- --┘

 おかげさまを持ちまして『葉隠』好評販売中です。11月より、有隣堂さま、
福岡金文堂さまでの店頭お取扱を開始いたしました。神奈川県横浜全域・九
州福岡、佐賀方面でも、入手いただけるようになりました。この機会にぜひ
同地域のみなさまにも実際お手にふれていただけますよう、お願い申し上げ
ます。


『葉隠』新規お取扱書店

福岡金文堂(福岡本店・佐賀店ほか)


〒810-0001 福岡市中央区天神2丁目9番110号
(本店)092-741-2106
※ その他店舗でのお取扱・取り寄せなどのお問合せは本店までお願
いいたします。

有隣堂(伊勢佐木町本店書籍館ほか主要地域ほぼ全店舗)

〒231-8623
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1-4-1
(本店)045-261-1231
※取扱店舗についてのお問合せは本部営業推進室 Tel.045-311-6552 までお
願いいたします。


┌----------- お知らせ その2 ------------┐
│『葉隠』記事が、日本語教育新聞 Vol.36 2006/11月に掲載されました。   │
└---------------------------- ---┘

 「日本語教育新聞」前回9月号広告掲載に引き続き、今回11月号では、詳細
な紹介記事が掲載されました。老武将をいたわり、立てる若武者のすがすが
しい美話(聞書第十一 一五七話)が引用、紹介されています。第七面(出版ト
レンド)「武士道の本」のコーナーです。見てね!!


●日本語教育新聞HP


●葉隠掲載記事

┌----------- お知らせ その3 ------ -----┐
│《決定版》はじめて見る能・狂言ガイド、できました。              │
└-------------------------------┘

 9~11月度「ゆこゆこ倶楽部 能楽堂特別見学会」が、神楽坂矢来能楽堂・
横浜能楽堂において催されました。たくさんのお客様にお越しいただき、盛
況のうち、本年度ツアー予定終了。約7~8割のお客様が、能楽堂初訪問、能
狂言未観劇の方でした。ツアーの合い間、様々な質問が寄せられましたが、
その中でもとくに多かったのが「はじめて見るのなら、いつ、どこで、誰の、
どんな能を見ればいいのか」というもの。疑問はほぼ、これにつきました。
「やはりそうなのだ」と、さっそく当言の葉庵独自の超ビギナー向け能狂言
ガイドとして作成してみたのが、この「決定版 はじめて見る能・狂言ガイ
ド」。二十年前、庵主がはじめて見始めた頃、一帯何がわからなくて、何を
知りたかったのかを、ぐぐっとタイムトンネルに乗って思い出し、あくまで
観客として”はじめて見る”立場でつくってみました。独断と偏見の批判も
あえて受けましょう。百聞は一見にしかず、とにかくご覧ください。HPトッ
プにもアイコンを貼り付けています。

●はじめて見る能・狂言ガイド


……………《編集後記》………………………………………………………………

 先日、まっすぐ見つめることがためらわれる光景に行き当たった。自宅より
駅に向かう道。路地から駅前商店街にさしかかる手前の角に、雑草の生い茂っ
た二十坪ほどの空き地がある。その空き地わき、排水溝の蓋の上に商店街から
身を隠すように、ひとりの年老いた女性がしゃがみこみ、ミニ・カップ麺を割
り箸で食べていた。ばっちりとアイコンタクトがあってしまったので、咄嗟に
視線を外し、なぜか強い羞恥を身内に覚える。身なりはさほど悪くない。カー
ディガンをはおりウールのスカートをつけている。衣服は汚れていないが、か
たわらには紙袋が2つ3つ。住所不定の人か。
 家族にその話をすると、昨年冬、そこから1~2キロ離れた幹線道路交差点わ
きで「見た」という。やはりしゃがみこみ、身なりはさほど悪くはないが、真
冬なのに素足にサンダルばきであったという。
 地位も生活も、標準以上の人が「侘び」を楽しむのとは、はっきりいって異
質な世界。今の日本にあって、日々「寒く」「ひもじく」「死ぬかもしれない」
のだ。行政に「保護」されるべきなのかもしれないが、そうはいかない事情が
何かあるのかもしれない。手を差しのべる人もたまにはいるだろう。時に好奇
の手にすがり、時に払いのけ、この一年命を延べてきた。来年の冬はもうこな
いのかもしれない。ぼくらにできることは何もない、と年の瀬近く、ぬくぬく
した布団の中で今夜も思い出している。
(耳障りのよくない話も書くぞしかも気がついたらである調だ 言)


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……………………………………………………………………………………………
  
【言の葉庵】へのご意見、ご感想、お便り、ご質問など、ご自由に!
 皆さんの声をお待ちしています。Good!の投稿は次号にてご紹介いたします。
 http://nobunsha.jp/nobunsha.html
 
……………………………………………………………………………………………

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■ 編 集 言の葉庵
■ 発 行 能文社 http://nobunsha.jp/
■ 編集長 水野 聡 mizuno@nobunsha.jp 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(C)2005 Nobunsha

2006年12月04日 09:39

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コメント

南方録の記載を読ませていただきました。小生は、裏千家の業躰の故木村宗博、山藤宗山両先生より極秘で長い間台子奥秘十段を伝授されたものです。茶道学のためにも秘伝として埋没することがないように、現在も指導しております。
南方録も開設を含めて講演をしておりますが、奥秘十段をこなして南方録を熟読すると相乗効果が出ます。
4月30日には、名古屋で南方録曲尺割りの講演を茶の諸々話を含めて2時間ほどの講演をします。
サンタバーバラの方も茶道に熱意を持っておられるようですが、茶道談義もしたいものです。メールで紹介でもしていただければと思います。

投稿者 原田 : 2007年04月25日 10:09

 

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